【医師監修】1日6食?妊娠糖尿病の食事療法「分割食」とは

妊娠中の高血糖は合併症をまねく

妊娠中に糖尿病のケアが必要になる場合には、妊娠前から糖尿病が発見されていた場合、妊娠中に明らかな糖尿病が発見された場合、そして糖尿病に至らない程度の高血糖が見られる「妊娠糖尿病」の場合があります。

妊娠初期に血糖コントロールがうまく行えていない場合、母体にも胎児にもともに合併症が生じることがあります。

母体においては糖尿病ケトアシドーシスや糖尿病網膜症・糖尿病腎症の悪化、また妊娠高血圧症候群が発症するおそれがあるほか、早産や流産をしてしまう場合があります。また胎児においても、巨大児や先天的な奇形のほか、肥大型心筋症や新生児呼吸窮迫症候群などが生じ、死亡してしまうこともあります。

これを防ぐには妊娠後だけでなく、妊娠前からの血糖コントロールが必要であると言われています。既に糖尿病が発見されている女性が妊娠する際には、妊娠前から慎重に血糖コントロールを続けていくことが大切です。

妊娠中の体重・血糖コントロール目標値は?

妊娠中の目標血糖値は、学会によって微妙に異なります。

【日本糖尿病学会】
空腹時血糖値:70~100mg/dl
食後2時間血糖値:120mg/dl未満
HbA1c:6.2%未満

【日本産科婦人科学会】
空腹時血糖値:95mg/dl以下
食前血糖値:100mg/dl以下
食後2時間血糖値:120mg/dl以下
HbA1c:6.2%以下

<引用>
糖尿病診療ガイドライン2016(日本糖尿病学会編著, 南江堂, 2016)

ちなみに、妊婦の摂取カロリー目標値も学会によって多少の違いがあります。
いずれも「体重(kg)÷身長(m)×身長(m)」の計算式から算出されるBMI値を基準とし、妊娠前のBMIが25未満場合(肥満していない場合)と、BMI25以上の場合(肥満している場合)で異なる基準を定めています。

・BMIが25未満の場合
【日本糖尿病学会】
妊娠初期:標準体重×30+50kcal
妊娠中期:標準体重×30+250kcal
妊娠末期:標準体重×30+450kcal

【日本産科婦人科学会】
いずれの時期も標準体重×30+200kcal

・BMIが25以上の場合
【日本糖尿病学会】
標準体重×30kcal

【日本産科婦人科学会】
標準体重×30kcal

<引用>
糖尿病診療ガイドライン2016(日本糖尿病学会編著, 南江堂, 2016)

「分割食」とは?

分割食は、主に妊娠中の糖尿病の患者さんの食事療法として行われます。3食のカロリーや内容をきちんとコントロールしても血糖値や体重に改善が見られない場合に行われます。

分割食とは1回分の食事量を減らし、その分食事の回数を増やすというものです。例えば「朝・昼・晩」の3食でとっていた1日分のカロリーを、「朝・間食・昼・間食・晩・間食」の6回に分けてとります。こんなに何回も食べていいの?と思われるかもしれませんが、1回あたりの食事量が減っているので、食後の血糖値の上がり幅がおさえられます。

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