食卓を華やかに! 日本のエディブル・フラワー菊の花の旬を楽しもう!
もってのほか美味しい! 見て食べて味わえて、ビタミンやミネラルも摂れる菊!
食用菊は観賞用の菊と同じキク科キク属の植物です。旬はだいたい10月から11月中旬くらいまでです。きれいな彩りとシャキシャキした食感、そして香りも魅力です。
菊は古代から中国で延命長寿の花として菊花酒などとして飲まれていましたが、日本で現在でも栽培されている食用菊は奈良時代に中国から伝来しました。食用菊は苦味を少なく、食べる部分の花びらが大きくなるように品種改良されたもので、民間で食されるようになったのは江戸時代からとされています。
食用菊の品種にはいくつかあり、刺身などのつまに添えられている黄色い小菊や、紫色の大輪種の「延命楽(えんめいらく)」や黄色い「阿房宮(あぼうきゅう)」などがあります。
ちなみに延命楽は山形県では「もってのほか」や「もって菊」という名前で呼ばれ、新潟県では「カキノモト」と呼ばれています。もってのほかの由来は「天皇家の御紋である菊を食べるのはもってのほか」とか「もってのほか美味しい」などがあり、カキノモトの由来は「柿の実が色づいてくるころ赤くなるから」などと言われています。
食用菊に多く含まれる栄養素にはαトコフェロール(ビタミンE)やカリウム、葉酸、食物繊維などがあります。ビタミンEには抗酸化作用があり、カリウムには血圧を調整する働きがあり、食物繊維は便秘の予防・解消によい働きがあるなど、健康にも役立つ栄養素が摂れます。あまり大量に食べる食材ではありませんが、菊の花は料理を華やかにして、見た目にも楽しませてくれます。少量でも取り入れてみてはいかがでしょう。
◎きく(花びら、生)の主な栄養素(可食部100gあたり)
食用菊の選び方、保存方法、調理方法
食用菊を選ぶときは、色鮮やかできれいで、花びらにハリがあり、先までしゃきっとしているものがよいでしょう。香りのよさもチェックしましょう。色がくすんでいたり、しなびたりしているものは避けたほうがよいです。
保存するときは乾燥しないようにポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。しかし、日持ちしないので香りや食感を楽しむためにもなるべく早くいただきましょう。
また、冷凍保存することも可能です。その場合は生のままではなく、さっと茹でて水気をしっかり切ってから、ラップなどで包んで冷凍しましょう。使うときは冷蔵庫で解凍して下さい。
食用菊は茹でたものを用いることが多いですが、生のまま料理に添えたり、サラダや和え物に加えたりすることもできます。
食用菊を茹でるときは酢を加えて、きれいな色に仕上げましょう。目安は水1リットルに対して酢大さじ2~3程度です。沸騰しているお湯の中に菊を入れて2~3回かきまぜて再沸騰したらザルにあけて冷水にとって色止めしましょう。