糖尿病の食事コラム

糖尿病治療に必要不可欠な食事療法と運動療法。始める前に知っておきたいこと

生活習慣病である糖尿病と診断されたら、生活習慣を改善することが治療の上でとても大切です。

糖尿病で特に重要となるのは食事と運動です。これらについて詳しく見ていきましょう。

「食べていけないものはない」糖尿病食は、バランスとエネルギーが大切

糖尿病の治療においては、まず血糖コントロールのカギを握る食事療法を始めます。

「糖尿病食」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?

これは、糖尿病の治療のためにエネルギー量や栄養素の配分を調整したメニューのことですが、栄養バランスの取れた、適正なエネルギーの内容であれば、食べていけない食品はほとんどありません。

食事療法を行う上で、最初に1日の摂取エネルギー量の目安を知る必要がありますが、これは標準体重と普段の活動量によって割り出すことができます。

◆1日の摂取エネルギー量の計算方法

1.自分の標準体重を計算する。

身長(m)×身長(m)×22 = 標準体重

2.自分の身体活動量に応じてエネルギー量を計算する。

デスクワークなどの軽作業が多い方(軽労作) 体重1Kgあたり25~30Kcal

立ち仕事が多い方(普通の労作)  体重1Kgあたり30~35Kcal

力仕事が多い方(思い労作)   体重1㎏あたり35Kcal  をかける。

たとえば、標準体重50Kgでスーパーのレジをやっている方(普通の労作)では、

50 × 30~35 = 1,500~1,750Kcal

が1日の目標エネルギー量ということになります。

エネルギー量がわかったら、それを朝・昼・夕で3等分して、なるべく毎日同じ時間に食事を摂るようにします。

自分の一日の摂取エネルギー量目安がわかったら、次に、バランスの良い食事のメニューを組み立てていきます。

そこで活用したいのが、あらゆる食品の栄養素をまとめた「糖尿病食事療法のための食品交換表」

これは、各食品の栄養素やエネルギーなどについてまとめた書籍です。

食品によって、含まれている栄養素は異なります。

たとえば、米や芋は炭水化物を多く含み、魚や牛乳はたんぱく質を多く含むといった具合です。

「食品交換表」では、すべての食品について、栄養構成が似たタイプの食品を炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン/ミネラルなどに分類しています。

また、80Kcalを「1単位」として考え、1日の摂取エネルギーを単位数に換算し、その単位数を栄養素ごとのグループに割り振って、その単位内で食品を組み合わせてメニュー作りをします。

では、栄養バランスはどのような割合で割り振れば良いのでしょうか?

たとえば1日の摂取エネルギーが20単位=1600Kcalのとき、20単位分の食材を使ったメニューを考えます。

20単位を3等分するので、1回の食事で摂れるのは6~7単位。

1日の摂取エネルギー量の50~60%を炭水化物で、たんぱく質は体重1Kgあたり1.0~1.2g、そして残りは脂質で摂るのが良いとされています。

また、栄養素が1回の食事に偏らないように配分しましょう。

医師や管理栄養士から「単位配分表」という、あなたに合った単位の配分を示した表をもらえるところも多いので、それも活用しましょう。

◎食事療法において大切なこと

1日の全体の摂取エネルギーを守ること

3食均等に配分すること(まとめ食いをしない)

栄養のバランスに気を付けること

食事の時間は決まった時間にとること

運動によって糖代謝が改善、強すぎない運動を週に3~5日が目安

糖尿病治療に欠かせないもう一つの基本治療が運動療法

なぜ糖尿病患者さんには運動が薦められるのでしょうか?

まず、運動によって血中のブドウ糖を消費するため、血糖値が下がります。

また、筋肉では血中のブドウ糖を取り込み貯蔵する働きをしていますが、運動によって筋肉が鍛えられ大きくなると、ブドウ糖の取り込み容量が増えるため、血糖値が上昇しにくいというメリットもあります。

その他にも、運動には脂質代謝を促したり、血圧を下げたりと嬉しい効果がたくさんあります。

運動の内容としては、負荷の高すぎない、きつすぎない有酸素運動が適しています。

たとえば、ジョギングや水泳、ウォーキングなどがいいでしょう。

週に3~5日以上、1回10~30分でも効果はあります。

また、日常生活でも車や電車をなるべく使わずに歩くようにしたり、こまめに動く習慣を心がけると良いでしょう。

メリットの多い運動療法ですが、気を付けるべき点があります。

それは「低血糖」です。

特に薬物療法やインスリン療法をしている方に多く、運動量が多かった場合や空腹時に運動をした場合などに起こる可能性があります。

低血糖を起こさない運動の負荷を知るためにも、運動を始めるときは、徐々に強度を上げるのがおすすめです。

最初は5~10分程度のウォーキングなどの軽い運動から開始し、徐々に運動の強度を上げます。

万が一、低血糖になったときにすぐ対処できるよう、運動の際にはブドウ糖(飴玉など)5~10gを携帯しておきましょう。

病状によっては運動が適していない場合や、医師の管理が必要な場合もあるので、まず主治医に相談するのが望ましいでしょう。

そして、運動前後には各5分程度の整理体操を行って、身体に負担がかからないように心がけましょう。

低血糖を防ぐためにも食後1~2時間に運動をしよう

運動を行うのに適した時間はいつなのでしょうか?

食後高血糖の改善を目的とした運動であれば、食後1~2時間後が効果的だとされています。

運動による低血糖を予防するためにも、血糖値が上がる食後1~2時間が理想的だといえます。

食事と運動、主治医とも相談しつつ無理なく続けよう

糖尿病における生活改善の基本は、バランスの良い食事と継続的な運動です。

まず自分の標準体重を知り、自分に適したエネルギー量を計算しましょう。

バランスの取れたメニュー作りのためには「食品交換表」が参考になります。

血糖値が乱れる原因となるまとめ食いや食事のスキップは避け、時間を決めて3食きちんと摂るようにしましょう。

運動療法も高血糖を改善するために効果的です。

楽しめる程度の、強度の強くない運動を週に3~5日以上続けましょう。

薬物療法を行っている方は、医師との相談のもと行い、運動時の低血糖に注意してください。

運動も食事も糖尿病治療を握るカギ。

自己判断で続けるのではなく、あなたの糖尿病をケアしている医師とも相談しつつ、無理なく続けていきましょう。

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