糖尿病の食事コラム

今日から始める、長く続ける食事対策

糖尿病の基本治療には食事療法、運動療法、薬物療法の3つの方法がありますが、一番の基本となっているのは食事療法です。
味気ないとか満足感がないというイメージの糖尿病患者さんの食事ですが、そのポイントと食事を楽しむコツを紹介します。


糖尿病患者さんの食事のポイントまとめ

糖尿病患者さんの食事は、摂取エネルギー・炭水化物・脂質・塩分の摂りすぎに注意し、必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。

糖尿病患者さんの食事のポイントをまとめると次のようになります。
気を付けることが書き出されていると、とてもたくさんあって、難しく考えがちですが、量やバランスに注意すれば「食べてはいけないもの」はありません。
ある程度「気軽な気持ち」で、できそうなことから取り組んでくださいね。


◎摂取エネルギーを守る

糖尿病患者さんの食事を考えるとき、摂取エネルギーを知ってきちんと守ることが重要。


<1日の適正摂取カロリー>
基礎代謝基準値×標準体重×身体活動レベル指数
※標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
詳しくは下記URLをご参考下さい。
http://www.wellnesslink.jp/p/walk/basic/kjwk60002.html

◎栄養バランスをしっかり

管理栄養士の指導の下、炭水化物のエネルギーに占める割合は50%~60%にします。
カロリーを守るだけでなく、栄養配分も大切です。


◎脂質は控えめに

脂質を多く摂ると、脂質異常症、動脈硬化のリスクが高まります。
コレステロールや飽和脂肪酸が多い食品は控え、魚に含まれる中性脂肪の値を下げる働きのある不飽和脂肪酸EPAやDHAなどを多めに摂るようにします。


◎1日3食3等分

ダイエットと違い、食後の血糖値の上昇を抑える必要があるので、1日3食の中で均等に配分されていなければいけません。
朝食を抜いたり、夕食に食べる量が偏り過ぎたりしないよう注意しましょう。


◎食物繊維を多めに

食物繊維は、便通を良くしたり、食後の高血糖を防ぐのに役立ちます。食物繊維を多く含む野菜は1日350g以上摂取するように努めます。


◎塩分は控えめに

塩分は食欲を増し、高血圧を引き起こします。
特に糖尿病腎症などの合併症や高血圧がある人は1日6g未満を目標にします。


◎食品交換表を利用

「糖尿病食事療法のための食品交換表」は、各食品のカロリーや栄養素、献立の立て方まで分かりやすく載っています。まずは一冊用意して、上手く利用しましょう。



塩分を減らして味気ないと思ったときの対策

それまで濃い味のものばかりを食べていた方にとっては特に塩分を控えると食事に味気なさを感じます。
食事を味気なくしないための対策としていろいろな工夫があります。


◎香味野菜

味にアクセントをつけるために薬味であるしょうが・ねぎ・しそなどの香味野菜を利用して風味を補いましょう。
ワサビや唐辛子といった辛味のあるものを使うのもおすすめ。


◎減塩調味料

しょうゆ、みそ等の調味料は減塩された商品があるので、賢く利用しましょう。


◎出汁を濃くする

かつお・しいたけ・こんぶ等の出汁を濃くすると旨味成分がたっぷり抽出され、塩分が少なくても満足のいく味わいになります。


◎酸味

レモン・カボス・ゆずなどの酸味をしょうゆや塩の代わりに用いてみましょう。
塩分の高い漬物の代わりに酢の物にするのも良い方法です。



賢く楽に、カロリーカット対策

カロリーカット対策は食材だけでなく、調理法をちょっと工夫したり、便利な調理器具を使って行いましょう。


◎テフロン加工のフライパンで油をカット

油を使わなくても焦げ付きにくいテフロン加工の調理器具は脂質カットに最適です。
調理中に出てきた脂はキッチンペーパーでこまめに吸い取りましょう。


◎電子レンジ楽チン調理。シリコンスチーマーも。

電子レンジは余分な油を加えることなく火を通すことができ、栄養成分も逃しません。
キッチンを汚さず簡単に調理できるのも魅力です。


また、食材を入れて電子レンジでチンするだけのシリコンスチーマーも便利。
カラフルなものが多く、食卓にそのまま出してもOKです。


◎タジン鍋で蒸し料理

三角錐をした形のタジン鍋は、蒸し料理に最適。
野菜や肉など、旨味がしっかりと味わえます。
カロリーカットには、揚げたり炒めたりするより、蒸す・茹でるといった調理法が油を使わないのでおすすめ。
しかも栄養成分を逃さず摂ることができます。


◎食材は大きめにカット

食材が大きめにカットすると、塩分や油分の染み込む面積が少なくすることができます。
よく噛むようになり食材そのものの味を楽しみながら食事量を減らすことができるようになります。



ボリュームが物足りない、満足感がないと思うときの対策

摂取カロリーが決められているのでボリュームに満足できないという方もいることでしょう。
そんなとおき、カロリーをアップさせることなく満足感を得るための対策を紹介します。


◎野菜(食物繊維を多く含むもの)から食べる

最初に野菜から時間をかけて食べることで、満腹中枢が刺激され、ご飯やお肉をたくさん食べなくても満足感を得ることができます。
さらに食物繊維は血糖値の上昇を抑える働きがあります。
野菜類から食べ始める習慣をつけると良いでしょう。


◎小皿を増やす

野菜などの小皿を増やすことにより全体の食事の分量が多く感じられ、目からも満足感を得ることができます。


◎海藻・きのこ類でのかさまし

海藻やきのこ類、コンニャク等は超低カロリーで食物繊維が豊富。
腹持ちがよく満腹感をもたらします。
ご飯や他の料理に混ぜ込んでボリュームアップすれば、簡単にカロリーを抑えることができます。


◎ゆっくりよく噛んで

満腹中枢が刺激されるのは食事開始から15分後ぐらいからと言われているので、食事はよく噛んでゆっくりと、できれば30分以上かけて食べましょう。



食材の旨味を感じながら、工夫する楽しみ

糖尿病患者さんの食事というと味気ない、調理が大変、満腹感が得られないといったイメージがありますが、ちょっとした工夫をすることで食事の楽しみを損なうことなく満足感も得ることができます。


カロリーや油分・塩分をただ単に減らすだけでなく、食材が持つ旨味を引き出したり、組み合わせを楽しんだりと工夫してみましょう。
工夫していく中で、出汁そのものの旨味、野菜が持っている甘味、ふっくらとした魚の身にカボスやゆずの風味、生姜や葱を使った香味、焼いたホクホクとしたきのこ等、食材の美味しさを改めて発見することができると思います。


また、糖尿病患者さんのレシピは書籍やインターネットでもたくさん紹介されています。
そうしたものを参考にしながら自分なりのアレンジを加えて食事を楽しんでくださいね。

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