糖尿病の食事コラム

糖尿病腎症を防ぐために欠かせない「たんぱく質制限」

糖尿病の食事療法において、「たんぱく質制限」という言葉を聞いたことはありませんか?


たんぱく質制限は糖尿病の合併症である糖尿病腎症と深い関わりがあります。
すでにカロリーや糖質を制限していて血糖もコントロールしているのに、なぜたんぱく質も制限しなくてはいけないのでしょうか?


ここでは、たんぱく質制限が必要な理由や、献立の対策についてご紹介します。


糖尿病のこわい合併症の1つ糖尿病腎症

糖尿病で血糖値の高い状態が長い間続くと、血管がダメージを受けてもろくなり、腎臓の血管に障害が及ぶと、合併症である糖尿病腎症を引き起こすことがあります。


糖尿病腎症が進行すると、最悪の場合、腎不全となり、人工透析が必要になってしまいます。


糖尿病であっても血糖値をしっかりコントロールできれば、糖尿病腎症を予防することは可能です。
糖尿病腎症になると、腎臓の血液の老廃物をろ過する機能が低下してしまうため、過剰なたんぱく質や食塩が腎臓に大きな負担をかけ、糖尿病腎症をさらに悪化させてしまいます。


そのため、血糖コントロールに加えてたんぱく質や食塩の摂取を控えて腎臓の負担を軽減させる必要があります。


しかし、私たちは生きるのに必要なエネルギーを、三大栄養素である、たんぱく質・糖質・脂質から主に摂らなければいけません。
たんぱく質は、エネルギー源としてだけではなく、血液や筋肉を作る上で欠かせない栄養素でもあります。


そのため糖尿病腎症を患った場合には、炭水化物、脂質のバランスを見ながら、たんぱく質を効率良く栄養素として摂ることが重要です。


この場合、エネルギー摂取が炭水化物や脂質に偏り過ぎるのも糖尿病の治療上、血糖が上がってしまうなどの問題があるため、そのバランスは医師や管理栄養士に相談してみることが必要です。


今までの食品交換表でいいの?

前述のとおり、糖尿病腎症を患った場合は、今までの血糖コントロールだけではなく、食事療法としてたんぱく質を主に制限することになります。


そこで今までの「食品交換表」だけではなく「糖尿病性腎症の食品交換表」というたんぱく質の量が書き加えられている、糖尿病腎症専用の食品交換表を用いて食事管理を行うことが望ましいです。


まずは医師の診断により、1日に必要な「指示エネルギー」と「指示たんぱく質」の量を決めます。
糖尿病腎症(顕性腎症)の場合は、標準体重1kgあたりのたんぱく質量が0.8g~1.0g(糖尿病治療ガイドより)なので、身長が158cm(この場合の標準体重は約55kg)の人ならば44g~55gが1日の目安になります。


これを守りつつ、表1~表6の各表からバランス良く単位をとっていくことが大切です。


糖尿病腎症の食品交換表ではたんぱく質の量によって表1(主に炭水化物を含む食品)ではA(1.9g以下)~C(4.0g以上)、表3(主にたんぱく質を含む食品)ではA(5.9g以下)~D(17.0g以上)と、同じ表でも区分が分けられています。
糖尿病食品交換表では表3に含まれる食品は交換できましたが、腎症の食品交換表の場合は同じ表でも区分(A~D)が異なると交換できないので注意が必要です。


単純にたんぱく質を極端に減らしてしまうと、筋肉が燃焼してしまい衰えて腎臓機能も低下します。
量を守って適度に食べましょう。


たんぱく質を減らすには

たんぱく質の制限食では、主食に「低たんぱく食品」を利用すると、エネルギーを減らすことなく、手軽にたんぱく質だけを減らすことができます。
ごはんは、低たんぱくごはんなどを選ぶといいでしょう。
大手スーパーには置いてあることもありますが、売られていないお店も多いので、その場合はインターネットの通信販売で買うことができます。


たんぱく質を減らした献立例として、たとえば、低たんぱくごはん、チキンカツ(鶏胸肉皮なし)、海藻サラダ、さやえんどうときのこのソテーなどはいかがでしょうか。
鶏肉は皮なしでも揚げ物にすることで満足感とエネルギーアップができます。


このときのポイントは衣にはたんぱく質が多い卵を使わないことです。
水溶き小麦粉とパン粉でのみ揚げましょう。
また海藻サラダやきのこなどで食物繊維を多く摂ることで血糖の上昇をおだやかにします。


塩分やカリウムにも注意が必要

糖尿病腎症の場合、他にも注意すべき栄養素は塩分です。
腎臓のろ過機能の低下により塩分は腎臓に負担をかけるので、塩分を制限する必要があります。


過剰な塩分はだるさやむくみ、高血圧の原因となります。
また、糖尿病腎症が起きるとカリウムの排泄機能も弱まり、頻脈や心不全が起きやすくなりますので、カリウムも摂りすぎないように注意しましょう。


カリウムは、アボカド、干しひじき、バナナ、ほうれん草などに多く含まれます。
心配な場合は、「糖尿病性腎症の食品交換表」などを使って確認するようにしてください。


市販品なども使って無理なく続けましょう

糖尿病腎症の食事制限は、たんぱく質の制限だけではなく、すでに糖質を制限していたり、他にも塩分やカリウムの摂取を控えるなど、気を配らなければならない点がたくさんあります。


戸惑うこともあるかもしれませんが、市販の低たんぱく食品などを上手に使って無理なく食事を楽しんでいきたいものです。


糖尿病における食事療法は生涯にわたって付き合っていかなければならないもの。
特に腎臓は悪化すると治りにくいため、早いタイミングで適切な食事療法を身につけて続けていくことが大切です。

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