1日1単位!フルーツを食べよう ~グレープフルーツ編~
糖尿病の食事療法中、フルーツは果糖(炭水化物)を多く含んでいるため、食べ過ぎは良くありません。
特に糖度が高く甘いくだものは血糖値の上昇や血中の中性脂肪の増加を招く場合もあります。
しかし同時にフルーツには、ビタミン・ミネラル・食物繊維も豊富に含まれているので、1日1単位を目安に毎日摂りたい食べ物です。
1日のいつのタイミングで食べるかは、自分のライフスタイルを考え、医師や管理栄養士に相談すると良いでしょう。
ドライフルーツやくだものの缶詰には要注意!
くだものは、「糖尿病食事療法のための食品交換表」では「表2」に分類されます。
1日1単位を目安に食べたいくだものですが、ドライフルーツやくだものの缶詰には注意が必要です。
それらはビタミン含有量が少なく糖度が高いため、「食品交換表」でも「表2」ではなく「し好食品」として扱われます。
「表2」のくだものを摂る場合には、あくまで生のフルーツを食べるようにしましょう。
ビタミンCが豊富!グレープフルーツ
今回はフルーツの中でも低カロリーで、ビタミンCが豊富なグレープフルーツをピックアップ。
グレープフルーツは、1単位(=80kcal)約200g(皮や種を含めると290g)です。
中サイズのグレープフルーツ約4分の3程度の大きさです。
日本では鹿児島や熊本などの温暖な地方で栽培されていますが、生産量が少ないため一般のスーパーに並ぶことはほとんどありません。
国内に流通しているグレープフルーツのほとんどは、フロリダやカリフォルニアなどのアメリカ産です。
◎グレープフルーツの主な栄養成分(可食部100gあたり)
エネルギー 38kcal
たんぱく質 0.9g
脂質 0.1g
炭水化物 9.6g
食物繊維 0.6g
ビタミンC 36mg
カリウム 140mg
知っておくべき、グレープフルーツと薬の飲み合わせ
薬を服用している場合、 グレープフルーツに含まれる成分によって薬が効き過ぎてしまうことがあります。
特に、高血圧や狭心症に用いられる「カルシウム拮抗薬」を服用している場合には、グレープフルーツの摂取は避けましょう。
また、グレープフルーツそのものだけではなく、グレープフルーツジュースも同様です。
他にも飲みあわせの良くない薬の成分がいくつかあるので、薬を服用している場合には医師に確認するようにしてください。
グレープフルーツのおいしいレシピ
もちろんそのままでもおいしいグレープフルーツですが、グレープフルーツをおしゃれなデザートに変身させるレシピを紹介します。
◎グレープフルーツの炭酸ゼリー (カロリー:81kcal(1人分))
<材料>
・グレープフルーツ(ルビー、ホワイトどちらでもOK)……1個
・炭酸水(無糖)……200ml
・砂糖……大さじ2
・水……大さじ3
・粉ゼラチン……大さじ1/2(5g)
・あればミントの葉……少々
1.グレープフルーツはよく洗って皮をむいたら薄皮を取り、果肉を半分にほぐして密閉容器に入れ、砂糖をまぜて5分おく。
2.炭酸水は瓶ごと冷蔵庫から出して、常温に戻す。
3.水に粉ゼラチンをふり入れてまぜ、3分ほどおいたら電子レンジに30秒ほどかけてとかし、1にまぜる。
4.3に炭酸水をそそぎ入れたら軽くまぜ、グレープフルーツに貼りつけるように、ぴったりラップをし、さらにふたをして冷蔵庫で1時間ほど冷やし固める。
5.スプーンでざっくりとすくって器に盛り、ミントの葉を添える。
食材の特性を知って、楽しく効果的に食事療法を続けよう
今回紹介したグレープフルーツは、薬との飲み合わせが悪いことがある食材として比較的知られていますが、同じ柑橘系のフルーツの場合には、八朔(はっさく)や金柑(きんかん)などにも同様のことが言えます。
すべての食材について事細かに効能や飲み合わせなどを覚えることは難しいですが、特に薬を処方される際には、医師に飲みあわせの悪い食べ物はないかよく確認するようにしましょう。
逆に、ビタミンCが豊富で風邪予防になる、食物繊維が豊富で血糖値の上昇を抑えたり便秘が解消できる、など食材が持つ良い健康効果を覚えておくことも大切です。
食材の特性に興味を持って、楽しく効果的に食事療法を続けていきましょう。