糖尿病の食事コラム

食べれば血糖値は上がる。では、「食後高血糖」とはどんな状態?

糖質を摂ると血糖値が上がる、これは健康な人でも起こる生理現象です。ただ、健康な人であれば血糖値が上がり過ぎることなく、食後2~3時間もすれば食前の血糖値まで戻ります。
では、「食後高血糖」とはどのような状態をいうのでしょうか。


「食後高血糖」ってどんな状態のこと?

私たちの体は糖質を含む食べ物を摂ると、胃や腸で消化吸収され、ブドウ糖として血液に乗って肝臓に運ばれます。この過程で誰でも血糖値は一時的に上がります。健康な人の場合は、インスリンというホルモンの働きによってブドウ糖は細胞に取り込まれ、エネルギーとして使われるため、血糖値が急激に上がり過ぎたり、高血糖が続いてしまうことはありません。


「食後高血糖」とは、文字通り食事後の血糖値が高いこと。食後2時間で、血糖値が140㎎/dL未満に下がらず高い状態が続くことをいいます。
糖尿病患者さんや糖尿病予備群の方は、血糖値を下げるインスリンの分泌が少ない、インスリンの分泌速度が遅い、インスリンの効きが悪くなっている(インスリン抵抗性)、などの原因から、「食後高血糖」が起きやすい状況にあります。


「食後高血糖」は、「境界型」(糖尿病予備群)もしくは「糖尿病型」

日本糖尿病学会では、糖尿病の血糖値測定における診断基準 として、「糖尿病型」「境界型」「正常型」と区分して診断します。


<空腹時血糖値>
12時間以上絶食した後に測定した血糖値
(通常、健康診断などで行われます。)
<75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)>
10時間以上絶食した後、75gのブドウ糖を飲み、2時間後に測定した血糖値
(主に、健康診断の空腹時血糖値が高いと、精密検査として行われます。この検査結果数値が高いと「食後高血糖」となります。)


【糖尿病型】
空腹時血糖値:126mg/dl以上 または、
75g経口ブドウ糖負荷試験:200mg/dl以上
【境界型】
 空腹時血糖値:110mg/dl以上~126mg/dl未満 または、
75g経口ブドウ糖負荷試験:140mg/dl以上~200mg/dl未満
【正常型】
  空腹時血糖値:110mg/dl未満 および、
  75g経口ブドウ糖負荷試験:140mg/dl未満


75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間後の血糖値が140mg/dl以上、つまり「食後高血糖」は、「境界型」あるいは「糖尿病型」と診断されます。この値が140mg/dl以上~200mg/dl未満(かつ空腹時血糖値が126mg/dl以上ではない)であれば、「糖尿病」とは言えない「境界型」となりますが、このままの生活を続けていると将来糖尿病になる可能性が高いという「糖尿病予備群」の位置づけになります。

ちなみに、糖尿病患者さんでは、食後2時間の血糖値が160mg/dlを上回らないようにすることが一つの治療目標となります。


「食後高血糖」に注意しなければならない理由

「食後高血糖」の状態では、インスリンの分泌量が減っていたり、分泌のタイミングが遅いなど、糖を代謝する力が衰えています。このまま放っておくと糖尿病にかかるリスクが高いというのは先述の通りですが、「食後高血糖」に注意を払わなければならないのは他にも理由があります。


それは、食後の急激な高血糖は血管壁にダメージを与える原因となり、動脈硬化を進行させてしまうということ 。そのため、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気のリスクも上がってしまうのです。また、その他にも高齢者の認知症や、がんの発症リスクも高めると言われています。


「食後高血糖」を防ぐ、食事と運動のコツ

これまで説明してきたように、「食後高血糖」は、そのままの生活を続けていると糖尿病になりかねず、他の病気のリスクも上がってしまいます。
まずは、日頃の食生活、運動習慣の見直しを行いましょう。


<食後高血糖を防ぐ方法>

  • ・食事内容を見直し、適正なカロリー内で栄養バランスよく食べる
     カロリー過多になっていないか、炭水化物中心になっていないかを見直し、1日の摂取カロリーを守り、栄養バランスにも気を配りましょう。

  • ・食物繊維をたっぷり摂る、野菜料理を先に食べる
     食物繊維は糖の吸収を抑制し、食後高血糖を防ぐ効果があります。1日25g以上 たっぷり摂りましょう。また海藻類や野菜には多くの食物繊維が含まれ、食事の前半で食べることによって、後に食べる炭水化物などの糖の吸収を抑えることができます。

  • ・「低GI食品」を選ぶ
     「低GI食品」は、同じカロリー、同じ糖質量でも、血糖値を上げづらい食品。同じ量だけ食べる場合にも、白米より玄米、食パンよりライ麦パンなど、精白されていない食物繊維を多く含む「低GI食品」を選ぶと良いでしょう。

  • ・食後30~1時間に、20~30分の運動を行う(できれば毎日。週3回以上)
     運動によって筋肉で糖を消費するため、血糖値が上がるのを抑えることができます。また肥満の解消からインスリン抵抗性の改善も見込めます。運動内容は、ウォーキングなどの有酸素運動と、スクワットなどの筋力運動を両方行うと良いでしょう。
     ※運動は、体の状態に合わせて行う必要があるので、事前に医師に相談するようにしてください。

健康診断では分かりづらい「食後高血糖」。気になる場合は早めに検査を受けて

主に健康診断で行われる空腹時血糖値の数値が正常でも、「食後高血糖」になってしまっているという場合 があり、自覚のないまま「食後高血糖」や糖尿病が悪化してしまうことがあります。
「食後高血糖」は、糖尿病へのリスクが高まるだけでなく、動脈硬化やさまざまな病気のリスクを上げてしまいます。
空腹時血糖値に異常がなくても、気になる場合は早めに病院で詳しい検査を受けましょう。


もし「食後高血糖」と診断された場合には、食事や運動など、できるところから生活改善を始めてくださいね。

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