糖尿病の食事コラム

太った?それともむくみ?それは糖尿病のサインかも!?

むくみ_top

さまざまな糖尿病の症状のうち、むくみも代表的なものの一つです。
むくみは誰でもよくある身近なものですが、もしかしたら糖尿病と関係があるかもしれません。

ここでは、むくみの原因とその改善方法を見ていきます。


なぜむくむ?糖尿病腎症が原因の場合も

まず、人の身体はどういったときにむくむのでしょうか?


むくみとは皮下組織(皮膚の下)に余計な水分が溜ってしまう状態を指します。
摂った水分がうまく排せつされずに身体にたまることで、むくみを引き起こします。


朝はスッと履けたブーツや靴が夕方にはきついという経験がある方も多いのではないでしょうか?
心臓から一番遠い所にある足は血液循環が滞りやすく、むくみが生じやすい部位。
そのため、夕方に足がむくむことは健康な方でも多く見られる症状で(生理的むくみ)、心配のないむくみとされています。


その他によく見られる原因として、水分やお酒の摂り過ぎによる一過性のむくみがあります。
これらのむくみは、お風呂やマッサージなどで血液循環を促したり、一晩休めば改善するため心配ありません。


一方、糖尿病患者さんにむくみが出たとき、糖尿病の3大合併症の一つである「糖尿病腎症」が疑われます。


腎臓は、血液をろ過し、老廃物などを尿として排せつする働きがあります。
しかし慢性的な高血糖によって腎臓がダメージを受け、この働きに異常が生じると、尿をうまく作ることができず、体内に水分や老廃物が溜りやすくなります。
これが「糖尿病腎症」であり、その症状として、むくみが現れることがあります。


しかし、糖尿病腎症でむくみが現れる頃には、すでに病気が進行していることがほとんどです。
さらに悪化すると人口透析を余儀なくされることもあるので、気になるむくみの症状がある場合には早めに医師の診察を受けることが大切です。


また、糖尿病による心臓への影響がむくみにつながることもあります。


高血糖により、冠動脈という心臓を取り巻く血管がダメージを受けると、心筋梗塞や狭心症の原因となります。

心臓は全身に血液を送るポンプ機能を担っている臓器。しかし、心臓に栄養を送る冠動脈に病変が生じると心臓がダメージを受け、心臓の働きが不十分になります。
やがて全身に血液を循環させるという役割を十分果たせなくなり(心不全)、血液が溜まってむくみが生じることがあります。


心筋梗塞や狭心症は、心不全の原因の約50パーセントを占めています。
糖尿病による動脈硬化が心不全を招き、むくみを引き起こすことも起こり得るのです。


このように糖尿病患者さんにおいては、むくみは合併症によるものの可能性があるので注意が必要です。


またその他、糖尿病治療薬の副作用によってむくみが生じる場合もあります。代表的な糖尿病治療薬のうち、チアゾリジン薬(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩)ではむくみが報告されています。

糖尿病腎症になってしまったら?食事療法の注意点

もしもむくみの原因が糖尿病腎症と判明した場合、これまでの食事療法に加えて注意しなければならないことがあります。


◆糖尿病腎症の食事療法のポイント

①たんぱく質を摂り過ぎない

私たちの身体は炭水化物・脂質・たんぱく質からエネルギーを得ています。
これらのうち、たんぱく質のみ老廃物(尿素窒素など)を作る特性があります。
炭水化物や脂質はエネルギーとして使われた後は息や汗となって身体の外に出ていきますが、たんぱく質だけは、腎臓でろ過しなくてはなりません。
医師から指示された量を守るようにしましょう。


②指示エネルギー量はきちんと摂る

エネルギー量が不足すると、身体は蓄えてあったたんぱく質をエネルギー源として消費しようとします。
その際、たんぱく質を破壊するため老廃物が増え、腎臓の負担が増えてしまいます。
そのため、やみくもにエネルギー量を減らし過ぎることは良くありません。
指示されたたんぱく質量を摂りつつも、炭水化物や脂質などでエネルギー量をきちんと確保することが大切です。


③塩分を控える

腎臓はナトリウム(塩分)を排せつする機能もありますが、糖尿病腎症ではその機能が低下します。
ナトリウムが溜まるとむくみや高血圧を引き起こし、腎臓にさらなる負担をかけてしまいます。塩分は1日6g未満に抑えましょう。


④場合によっては、カリウム、リンなども控える

カリウムやリンなどの電解質が溜りやすくなるためそれらの栄養素の摂取制限が指示されることもあります。
電解質には身体の細胞の調子を整える役割があります。
特にカリウム濃度の異常では、不整脈や心停止を起こし命に関わることもあるので注意が必要です。


糖尿病患者さんの多くが利用している「食品交換表」には、糖尿病腎症の方向けに別冊として「糖尿病性腎症の食品交換表」があるので、そちらを利用するようにしましょう。
「食品交換表」はカロリー管理に重きを置いているのに対し、「糖尿病性腎症の食品交換表」ではたんぱく質量の管理に重きを置いているのが大きな違いです。


◆「糖尿病性腎症の食品交換表」の特徴、使い方
 ・「たんぱく質を含む食品(表1~4)」と「たんぱく質を含まないでエネルギー源となる食品(表5、6)」に分類。表1~4については、1単位あたり、たんぱく質3gを含む。
 ・たんぱく質量以外にエネルギー量についても計算ができるように配慮されている。1単位あたりそれぞれ、表1、2は150Kcal、表3は50Kcal、表4は30Kcalの食品の重量が示されている。(「食品交換表」においては、全ての食材が1単位=80Kcalとされているのが異なる点)
 ・指示されたたんぱく質量の食材ではエネルギー量が不足する場合は、表5、6の食材から追加して調整する。

むくみ解消=カリウム?!まずは医師に相談を

では、むくみ解消に効果的な栄養素はあるのでしょうか?


一般的に、むくみにはナトリウム排出の働きがあるカリウムが効果的といわれています。
しかし、糖尿病腎症の場合はカリウムも溜まりがちになり、不整脈などを起こす可能性があるため自己判断でカリウムを過剰摂取することはおすすめできません。
まずは医師に相談しましょう。


むくみは血行不良やリンパの流れの滞りによっても起こります。
身体を温めるしょうがやスパイスを料理に活用したり、血行を促す効果のあるビタミンEを含む食材を日々の料理に取り入れてみてもいいでしょう。
ビタミンEは、かぼちゃやモロヘイヤ、ナッツ類などに多く含まれています。


そして、余分な水分をきちんと排せつするには、腎臓の機能をこれ以上低下させないことが大切です。
そのためには、たんぱく質は適正量を守り、塩分を控え、腎臓保護のための食事を心がけましょう。


血流促進でむくみ対策、身体を内外から温める習慣を

日々の生活の中でむくみを解消するためには、入浴で血流を促進し、適度な運動によって筋力を付けることもむくみ対策に効果的です。
また、冷えによっても血流が悪化し、むくみの原因となるため、薄着は避けましょう。
温かい飲み物や食べ物を摂るようにし、身体を内外から温めるよう心がけます。
むくんでしまった足は、マッサージで血液やリンパの流れを促すと楽になるでしょう。


また腎臓は水分量を調整する働きもあり、腎機能が低下している場合は、水の飲み過ぎにも注意しましょう。


糖尿病患者さんでむくみが見られたら受診を

糖尿病患者さんにむくみが出た場合は、3大合併症の一つである糖尿病腎症をまず疑う必要があります。
特に一晩寝ても改善しない、いつもと違ったむくみの感じがする、などの場合には速やかに医師の診察を受けましょう。

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