糖尿病の食事コラム

糖尿病で入院が決まったら読んでおくべき基礎知識

2013年に発表した国際糖尿病連合の調査によると、現在の日本の成人における糖尿病の人口は700万人を超えるとされています。


糖尿病と診断されている人はとても多く、これを読んでいる方の中にも自分自身が糖尿病であったり、家族や知人が糖尿病であったりするという人もいらっしゃるかと思います。
同じ糖尿病でも進行具合によって、症状や治療はさまざまです。


症状がないのに糖尿病と診断されてしまい漠然とした不安を抱えたり、身近な病気だからこそいろいろな情報が耳に入り、怖くなってしまったりすることもあるかと思います。
しかし、正しい知識をもって糖尿病と向き合い治療に取り組めば、決して怖い病気ではありません。


最近では糖尿病と診断された段階から入院を勧められることもあります。
ここでは、糖尿病とはどのような病気なのか、入院の必要性について説明します。


糖尿病はどのような病気?


食事をとると、消化吸収されたブドウ糖が血液中に取り込まれます。
このブドウ糖は本来人間のエネルギー源となって、全身の筋肉や臓器に使われています。
血液中のブドウ糖の濃度を示すのが血糖値です。


糖尿病とは、ブドウ糖のコントロールをしているインスリンというホルモンが不足したり、十分に作用することができずに、血液中のブドウ糖が高くなる、すなわち血糖値の高い状態が慢性的に続く病気です。
原因はさまざまですが、遺伝による体質的なものに加え、過食・肥満・運動不足といった生活習慣により起こることが多いです。


最初は自覚症状がないことが多いですが、進行すると
①手足のしびれや感覚の低下などが起こる神経障害、
②視力が低下する網膜症、
③腎不全を起こし透析が必要になる腎症、
といった3大合併症が起こります。


どのような治療をするの?


糖尿病の治療の基本は食事療法と運動療法です。


食事療法は、過食をせずバランスよく栄養をとることが重要になります。
また、1日3食を規則正しく食べることで、急激な血糖値の変動を予防することができます。


運動療法は、ウォーキングなど継続してできることを取り組みましょう。
運動をすることで、血液中のブドウ糖が使われ血糖値を下げることができます。
また、継続的に行うことでインスリンの感受性が高まり、血糖コントロールの改善につながります。


食事療法と運動療法は、合併症の有無や程度によっても方法が変わります。
腎症を合併している場合では腎臓の機能が低下しているため、通常では尿として排泄している成分が排泄されずに、体に蓄積されてしまいます。
従って、からだをつくるエネルギーとして使われた後、老廃物になる、たんぱく質を控える必要性があります。
また、過度な運動は腎臓に負担がかかってしまいます。


網膜症を合併し眼底出血を起こしている場合では、運動により悪化させてしまう危険もあります。
自己判断で行わずに、必ず医師に相談のもと行いましょう。


食事療法と運動療法を行っても血糖値の高い状態が続く場合は、血糖値を下げる飲み薬(血糖降下剤)や、インスリンの皮下注射によって血糖値をコントロールすることになります。


入院が必要なときはどんな状態?どのようなことをするの?


糖尿病は、診断された初期の段階で食事療法や運動療法を行ない、進行を予防し合併症を起こらないようにすることが大切です。


しかし、初期の段階では自覚症状が無い場合が多く、食事療法や運動療法を取り入れることが難しい患者さんもいらっしゃいます。


そこで、糖尿病の進行を防ぐことが出来るように、糖尿病に関する正しい知識を身につけ、食事療法や運動療法を学ぶための教育入院があります。
※合併症等でなく、純粋に糖尿病で入院するということは、教育入院であることが多いです。


入院の基準は医師によっても違いますが、主に次のようなときに行われます。

  • 糖尿病と診断されたとき
  • 食事や運動療法をしているが血糖値の改善がみられないとき
  • 血糖降下剤の内服を始めるとき、既に内服しているが血糖値の改善がみられないとき
  • インスリンの注射を始めるとき、既に注射をしているが血糖値の改善がみられないとき

入院中には、血液検査や尿検査、眼科の診察などを行ない、合併症の有無や進行状態の確認をします。
また、糖尿病に関する知識や治療の取り組み方の確認を行います。


必要に応じて、看護師から日常生活における注意点の説明を受けたり、栄養士から食事療法に関する説明を受けたりすることが出来ます。理学療法士と共に運動療法を行なったりもします。


家族も一緒に参加することが出来るので、特に食事に関することでは、自宅で主に食事を作る人にも参加してもらうことをお勧めします。
「入院しないといけない」と聞くと身構えてしまうと思いますが、日ごろの疑問をぶつける場所だと思って、積極的に取り組みましょう。


入院が決まったら?


入院が決まると、入院案内のパンフレットなどを渡されます。病院の決まりに合わせて準備をしましょう。


入院中は、看護師や栄養士などからの説明があるので、筆記用具があると便利です。
また、運動療法を行うので、動きやすい服装(ジャージやスウェットなど)と運動靴を持参しましょう。


糖尿病や教育入院について、イメージができましたでしょうか。


糖尿病は進行すると死にも関わる様々な合併症を起こす病気ですが、食事療法や運動療法など適切な治療を行なえば進行を予防できる病気でもあります。


教育入院では、食事療法と運動療法がしっかりと行えるように正しい知識を身につけて、糖尿病の進行予防に努めましょう。

健康道場「うまくつきあう80kcalショコラ」

糖尿病とうまくつきあう食生活のコツ

次の食材のうち、血糖値を上げにくいものがどれでしょう?

1.うどん
2.玄米
3.とうもろこし

糖尿病とうまくつきあう

関連記事一覧