精進料理を参考に、大豆を積極的に摂りましょう
食材の持ち味を活かした精進料理
「精進」とは、悟りを極めるための道すじの1つであり、仏の教えによって仏道修行に努めることをあらわす言葉です。
粗食であることが精進の行いの1つであり、また、仏教の教えから殺生が禁止されていたことから、精進料理では肉や魚介類は用いられず、野菜や豆類、穀物などの食材だけを用いてつくられました。修行道場で料理を担当する役職は「典座(てんぞ)」と呼ばれており、宗派によっては典座が大事な役割だと位置づけられています。
食材をなるべく無駄なく使い、本来の味をできるだけ活かすことも、精進料理の特徴です。調味料はなるべく使わず、限られた食材で食事を楽しむ工夫が、それぞれの宗派で行われました。この工夫の積み重ねで、数多くの精進料理がつくられました。
大豆は精進料理に多く使われている食材の1つで、肉や魚に代わるタンパク質の供給源だったと考えられています。そのため、大豆を使った料理のバリエーションが豊富です。
例えば、多くの人に好かれている「雁もどき」は、魚や肉に見せかけた「もどき料理」として生まれました。高野豆腐も、弘法大師が唐から豆腐の製法を持ち帰り、後に保存食としての高野豆腐ができあがったと伝えられています(現在は、弘法大師が唐で高野豆腐自体の作り方も持ち帰ったという説も唱えられています)。