糖尿病の食事コラム

食事で糖尿病を克服したい!治療食の作り方や料理方法を知ろう

糖尿病と診断されたら、まず食事改善を

糖尿病と聞いて、まず思いつくのは厳しい食事制限や投薬・インスリン注射ではないでしょうか?

糖尿病の種類や程度にもよりますが、規則正しい食事を心がけ、運動を習慣づけることで改善することも多くあります。それでも検査値の改善がない場合に投薬が始められます。
ここでは、糖尿病と診断された場合の食事療法と、実際に食事療法で糖尿病が改善したケースについてお話したいと思います。



なぜ治療食が必要なのでしょうか

糖尿病は主に1型と2型に分類されます。日本人の大半は2型と言われています。
2型糖尿病の原因は、生まれ持った体質に加えて食べ過ぎ・運動不足などの生活習慣が重なって発症します。血糖値はインスリンによって一定に保たれていますが、糖尿病ではインスリンを分泌する膵臓が弱り、働きが鈍くなるので高血糖になりやすいのです。


それでは、膵臓を守るためにはどのような生活を実践すればいいのでしょうか?
食べ過ぎにより過度の糖質が摂取されると、膵臓はその糖分を分解するためにインスリンを出し続けなくてはならず、過労状態になります。そのため、血糖が高いと診断されたら、糖分やカロリーのコントロールを基本にした食事療法をするよう医師からアドバイスされます。


最近では糖質を制限したんぱく質を中心に摂取する「糖質制限食」が提唱されるようになりましたが、脳や筋肉のエネルギーとなる糖質を大幅にカットしてしまうのは危険との声もあり、賛否両論です。
従来からの基本は、食事量・カロリーを抑えつつたんぱく質やビタミン類もバランス良く摂取できるメニューなのです。


食材の栄養素を詳しく知るには食品交換表

皆さんは「食品交換表」と表紙に大きく書かれた本を見かけたことはないでしょうか?これは食事制限が必要な方にまず薦められる本で、ほとんどの食材のカロリーや栄養価の分析データが掲載されています。日々の栄養バランスを考えるのにとても参考になります。


食品交換表
糖尿病 料理

  資料:「食品交換表7訂版」社会法人日本糖尿病学会



食材はⅠ~Ⅳ群に大きく分けられ、さらに表1(穀類・いも・炭水化物の多い野菜と種実・豆(大豆を除く)炭水化物)、表2(くだものによる糖質)、表3(魚介・肉・卵・チーズ・大豆とその製品によるたんぱく質)、表4(乳製品(チーズを除く)によるたんぱく質)、表5(油脂)、表6(野菜やきのこなど)と細かく分類されています。掲載されているデータは全て80Kcal分ずつ。80Kcalを1単位と呼び、目標のカロリー値によって一日に食べることのできる単位数を決定します。


例えば一日1600Kcalにカロリーコントロールをしたい方は、1600Kcal÷80Kcal=20単位分を表1~6からバランス良く組み合わせ、それを3食分に配分すれば良いのです。
「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」では、1日の摂取カロリーのうち、炭水化物は50~60 %・たんぱく質は標準体重1kgあたり1.0~1.2g・残りを脂質(摂取カロリーの25%以内)で摂取することが推奨されています。調味料にもカロリーがあるので要注意。なるべく揚げ物は減らし、薄味を心がけましょう。


食品交換表や電卓・はかり・計量スプーンなどを準備して、3食計算しながら調理するのはなかなか大変でしょう。几帳面になって、正確にがんばろうと思っても難しいものです。しかし、糖尿病は生活習慣により引き起こされる病気なので、食生活を始めとした生活習慣の改善は避けて通れません。まずは、今までの食生活を見直し、バランスのいい食事を意識することからはじめましょう。


日々の料理は無理せず続けられる方法を

では、具体的に食事療法の成功のカギはどこにあるのでしょうか?材料の重さを量りながらの料理はそれだけで手間がかかり、面倒くさくなって諦める方が多いので、「なるべく簡単に・パターン化してしまうこと」がポイントではないかと思われます。


食事療法の説明を受けたのはいいが、具体的にどうやればいいのかイメージがつかず、自信がない方もいるかもしれませんね。ここでは、自分のライフスタイルに合わせて、無理なく食事療法を成功させた具体例を少しご紹介したいと思います。


血糖の高さを指摘され、食事療法を始めた主婦のAさん。自炊は毎日行っていたので苦になりません。身長165cmのAさんの標準体重は59.9Kg(計算方法:身長(m)×身長(m)×22)でした。あとはどのようにメニューを組み立てるかが問題でした。


主治医からは1600Kcal(20単位)を目安にと言われたので、炭水化物(表1)11単位・たんぱく質(表3)60g・脂質(表5)は400Kcalを超えない範囲でのメニュー作りをすることにしました。メニューは書店で購入した「糖尿病食」の料理本を参考にしました。たんぱく質のおかずと野菜のおかずのレシピをいくつかピックアップしておき、日々の献立はそれらを組み合わせて決定しました。


最初は材料を量りながらなので調理に手間取りましたが、普段使う食材の種類はそれほど多くないので1単位の量を感覚的に把握できるようになったといいます。また、献立の種類もいくつかのパターンができてしまったので、そのうちレシピを見なくても作れるようになりました。今では新たなレシピを加えようかと、料理本をチェックしています。
この食事を続けて2ヶ月後の採血で血糖値の改善がみられました。この調子なら薬は飲まなくて済みそうだとAさんは喜んでいます。また、メタボが気になっていた夫も体重が4Kg減。Aさんの取り組みにより、家族揃って健康に近づいたのです。


一方、仕事が忙しい一人暮らしのサラリーマンBさん。普段は外食ばかりでしたが、検診で糖尿病が指摘され、食生活の改善を考えるようになりました。しかしBさんは料理が苦手だったので、糖尿病患者さん向けにカロリーや栄養素が計算された冷凍食品の宅配サービスを利用することにしました。おかずは冷凍食品をレンジで温め、ご飯のみ自分で炊いて量って食べています。これにより、徐々に血糖値が下がってきています。宅配食は手間がかからないので、続けやすいのが利点。料理が苦手な方や、治療食作りが負担に感じる場合には取り入れてみてもいいですね。


一生健康に過ごすために

糖尿病は進行するとさまざまな問題を引き起こします。
たとえば、腎不全から透析が必要になったり、末梢循環障害により下肢切断を余儀なくされたりと、精神的にも経済的にも大きな問題になる危険性を秘めている病なのです。しかし、早期発見と早期治療により、これらの事態は回避できます。


糖尿病と診断されたあなた、血糖値が高めと言われたあなた、残りの人生を健康に楽しく過ごすためにも食事を見直しませんか?糖尿病食はあくまでも「健康な体を維持するための食事」なので、続けていくことが大切です。自分のやりやすいスタイルで、生活の一部に習慣づけられたらいいですね。

健康道場「うまくつきあう80kcalショコラ」

糖尿病とうまくつきあう食生活のコツ

次の食材のうち、血糖値を上げにくいものがどれでしょう?

1.うどん
2.玄米
3.とうもろこし

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